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不動産売却時の注意点は?重要ポイントを流れに沿って解説

不動産売却時の注意点と高く売るためのポイント

不動産売却時の注意点は多数あるため、まとめて確認しても実際の手続きに活かしきれない恐れがあります。「売却時」とひとまとめにせず、計画段階から引渡しまでの流れに沿って確認すると、具体的にイメージしやすいでしょう。

ここでは、不動産売却時の注意点の中でも、特に重要なポイントをまとめています。

高く売るためのポイントも併せて解説するので、不動産売却時の参考にしてください。

今は読んでいる時間が無い!という方、この記事の要点はこちら
  • 不動産売却の成功とは、高く・希望の期間内で売ること
  • 計画段階では、情報収集や現況確認をしっかりと行う
  • 不動産会社を査定額のみで選ばない
  • 状況に応じて売却活動を見直す
  • 売買契約の内容や売主の契約不適合責任に注意
  • 不動産売却後は確定申告が必要
  • 不動産を高く売るポイントは、複数の不動産会社へ査定依頼すること

1. 不動産売却時の注意点をチェックする前に…

不動産売却時の注意点が気になるあなたは、「不動産売却で失敗したくない!」と考えていると思います。それでは、不動産売却における失敗・成功とはどんな状態でしょうか?

不動産売却時の注意点をチェックする前に、ここでの失敗・成功の定義を明確にしておきます。

【不動産売却の失敗とは?】

  • 相場に適した価格で売れない(安く売ること)
  • 希望の期間内に売れない

【不動産売却の成功とは?】

  • 相場と同等またはそれ以上で売れる(高く売ること)
  • 希望の期間内に売れる

上記の通り、不動産売却時の失敗とは安く売ること・売却期間が長引くことです。ここでは、不動産売却に失敗しないための注意点を、売却活動の流れに沿ってまとめています。

1.1. 不動産売却時の手順・流れ

不動産売却時の注意点を解説する前に、全体的な流れを確認しておきましょう。

【不動産売却時の流れ】

  1. STEP1:相場の調査・売却の計画を立てる
  2. STEP2:不動産会社を選ぶ
  3. STEP3:売却活動で買主を探す
  4. STEP4:売買契約・引渡し
  5. STEP5:確定申告

それぞれの詳細は以下の記事で解説しているので、こちらも併せてご覧ください。

不動産の売却にかかる期間はどれくらい?

2. 不動産売却時の注意点【相場の調査・計画編】

不動産売却時の最初のステップでは、相場の調査をして売却の計画を立てます。

不動産は建物の劣化具合や土地の形状・周辺環境など、個々の状態によって価値が異なります。一般的な商品のように定価が存在しないため、「売却予定の不動産にどれくらいの価値があるのか」といった相場の調査が重要です。

また、不動産の売却期限を決めておかないと、「いつまで経っても売れない…」という事態になりかねません。売却活動が始まる前に計画を立てましょう。

ここでは、相場の調査・計画段階の注意点について解説します。

【相場の調査・計画段階の注意点】

  • 不動産査定を自分で行うのは困難
  • リフォームや建物の解体は自己判断しない
  • 住宅ローンの残債が多いと売却できないことがある
  • 土地の確定測量が必要なケースがある
  • 売却方法によって特徴が異なる

2.1. 不動産査定を自分で行うのは困難

不動産の相場を調べる方法には、自分で査定する方法と不動産会社へ査定依頼する方法があります。

インターネット上にはたくさんの情報があるため、周辺地域の過去の実績や現在売り出されている物件などから、ざっくりとした相場を把握することが可能です。

ただし、不動産の売却を本格的に検討している場合は、不動産会社へ査定依頼しましょう。専門知識がない人が、不動産の価値を正確に査定することは困難なためです。

たとえば、同じマンションでも階数や方角によって価値が変わりますし、同じ地域の土地でも形状や広さによって価値が変わります。

不動産の個別性を考慮した価格を確認するには、専門家による査定が必要です。

相場に適した価格で売り出さないと、買い手が見つかりにくく、希望の価格で売却できない恐れがあります。不動産会社へ査定依頼をして、適正な相場を確認しましょう。

不動産査定を自分で行う方法と査定で失敗しないための基礎知識
【不動産査定のポイント】評価が高くなる不動産の特徴とは?

2.2. リフォームや建物の解体は自己判断しない

古い建物が建っている土地を売却したい場合、建物をリフォームして新しくする、建物を解体して土地として売却するといった方法も選択肢の一つです。

ただし、大がかりなリフォームや建物の解体を自己判断で行うことはおすすめできません。不動産会社へ相談してから判断した方が、失敗を防げるでしょう。

中古住宅を購入する人の中には、「低価格だから」という理由で住宅を購入し、購入後に自分でリフォームしたいと考える人が一定数います。売却前に大がかりなリフォームをして余計なコストをかけるよりも、手を加えずに売却した方が良いことがあります。

また、古家を解体して土地として売却するメリットは、購入者のターゲット層が広がることです。ただし、地域や建物の状態によっては解体しない方が良いケースがあります。

リフォームや建物の解体費用は売却代金として資金回収できないリスクがあるため、自己判断せずに不動産会社へ相談することをおすすめします。

不動産売却時のハウスクリーニングが効果的な2つのケースとは?
不動産の売却前にリフォームは必要?後悔する前に知っておきたい売却事情

2.3. 住宅ローンの残債が多いと売却できないことがある

不動産を売却する時点で住宅ローンの残債がある場合、残債額を確認しておきましょう。

住宅ローンを組んで不動産を購入した場合、不動産に抵当権が付いています。抵当権とは、ローン契約者の返済が滞った場合に、金融機関が不動産を競売にかける権利です。

不動産の抵当権は、ローン完済後に抹消してから売却するケースが一般的です。

住宅ローンの残債が多いと、売却価格だけではローンを完済できない可能性があります。不足分を自己資金で賄える場合は問題ありませんが、そうでない場合は注意が必要です。

ローンを完済できるかどうかを確認するためにも、不動産査定と同時にローンの残債を確認しておきましょう。

【不動産売却】抵当権がついている家や土地を売る場合

2.4. 土地の確定測量が必要なケースがある

長い間、土地の測量を行っていない場合、確定測量が必要なケースがあります。確定測量とは、隣地所有者立ち会いのもとで境界を確定し、正確な面積を調査することです。

土地の確定測量は、売主の義務ではありません。

ただし、隣地との境界が明確でないと、買主が不動産を購入後にご近所トラブルが生じるリスクがあります。そのため、確定測量が済んでいないことを理由に契約に至らない可能性があるでしょう。

確定測量には費用と時間がかかるため、早い段階で検討しておくことをおすすめします。

不動産売却する際、土地の測量が必要なケース

2.5. 売却方法によって特徴が異なる

不動産の売却方法には、大きく分けて仲介と買取という2つの選択肢があります。

  • 仲介:不動産会社に買主探しを手伝ってもらう方法
  • 買取:不動産会社に直接買い取ってもらう方法

仲介と買取はそれぞれ一長一短です。

仲介は相場に近い価格で売却できる可能性が高いものの、買取よりも時間がかかります。買取は早く売却できる可能性が高いものの、売却価格が低くなりがちです。

売却する不動産や売主の意向によって向き・不向きがあるため、計画段階でそれぞれの特徴を確認しておきましょう。

不動産売却時の依頼先はどこがいい?不動産会社それぞれの特徴をご紹介
不動産売却にかかる仲介手数料

3. 不動産売却時の注意点【不動産会社選び編】

相場を調査して売却計画を立てたら、不動産会社を選びます。

買主探しやその後の手続きは営業担当者が先導してくれるので、売主の仕事は多くありません。裏を返すと、不動産会社選びが売却の成功・失敗に大きく影響することを意味します。

不動産売却で失敗しないためにとても大切なステップと言えるでしょう。

【不動産会社を選ぶ際の注意点】

  • 媒介契約の種類によって向き、不向きがある
  • 査定額が高ければ良いとは限らない

3.1. 媒介契約の種類によって向き・不向きがある

媒介契約とは、不動産会社へ売却活動を依頼するために結ぶ契約です。媒介契約には3つの種類があり、それぞれ特徴が異なります。

売却予定の不動産や売主の意向によって向き・不向きがあるので、それぞれのメリット・デメリットを確認してから契約しましょう。

【媒介契約の種類】

一般媒介契約:複数の不動産会社へ売却活動を依頼できる契約

専任媒介契約:1社のみの不動産会社へ売却活動を依頼する契約

専属専任媒介契約:1社のみの不動産会社へ売却活動を依頼する契約(専任媒介契約よりも不動産会社の義務が重い)

それぞれの特徴については以下の記事で解説しているので、こちらも併せてご覧ください。

不動産売却時の媒介契約の種類と特徴(一般媒介契約・専任媒介契約・専属専任媒介契約)
マンション売却は複数社へ依頼する?不動産会社と結ぶ媒介契約の選び方は?

3.2. 高額査定が良いとは限らない

不動産会社から査定額を提示された時、「他社よりも高額だから」という理由で選ぶことはおすすめできません。

不動産取引では、売却活動によって買い手を探します。そのため、基本的に査定の時点では買い手が存在しません。

査定額はあくまでも売値を検討する際の目安であり、その価格で売却できる保証がない点に注意が必要です。

売値を高くし過ぎると、買い手が見つかりにくくなるリスクがあります。そのような失敗を防ぐために、複数のポイントをチェックしておきましょう。

【不動産会社選びのポイント】

  • 営業担当者との相性
  • 不動産会社の実績や専門性
  • サービス内容や仲介手数料
  • 査定結果の適切さ

上記を確認する際、複数の不動産会社へ査定依頼する方法がおすすめです。不動産一括査定を利用すると手間をかけずに依頼できるので、ぜひチェックしてみてください!

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4. 不動産売却時の注意点【売却活動編】

不動産会社と媒介契約を締結したら、本格的に売却活動が始まります。売却活動とは、不動産の広告を作成してインターネットに掲載する、購入検討者へ提案するといった、買主を探すための一連の活動です。

売却活動は主に不動産会社が先導してくれるので、売主の仕事は多くありません。ただし、注意点が2つあるので確認しておきましょう。

【売却活動時の注意点】

  • 売却活動が思うように進まない場合、放置しない
  • 内覧時にネガティブな情報を隠さない

4.1. 売却活動が思うように進まない場合、放置しない

売却活動が長引くと不動産の印象が悪くなり、値下げせざるを得なくなるリスクがあります。不動産の売却活動が思うように進まないと思ったら、状況に合わせて対処することが大切です。

たとえば、内覧希望者が現れない場合、広告の内容や売却活動に問題があるかもしれません。不動産会社がどのような活動をしているのか確認するのも手です。

場合によっては、不動産会社を変更した方が良いケースもあります。媒介契約の期間は3ヶ月が一般的なので、売却活動を始めてから3ヶ月を目安に検討してみてください。

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4.2. 内覧時にネガティブな情報を隠さない

内覧希望者が現れた場合、営業担当者が対応してくれるケースがほとんどです。そうは言っても、取引成立のために売主としてできることがあります。

たとえば、地域の利便性やマイホームとしての住み心地をアピールする方法があります。実際に住んでいる人の話は説得力があるため、購入検討者の心に響くでしょう。その際、ネガティブな情報も隠さずに伝えることが大切です。

中古住宅を検討している人の中には、多少のマイナス面を承知している人が珍しくありません。

ネガティブな情報を隠したまま取引を進めると後にトラブルが生じるリスクがあるため、注意が必要です。

不動産売却時の内覧を成功させるコツとは

5. 不動産売却時の注意点【売買契約・引渡し編】

売り手と買い手で条件のすり合わせを行い、契約内容が決まると売買契約に進みます。不動産は高額取引のため、契約内容について慎重に確認しましょう。

また、不動産取引では売買契約から引渡しまでに時間がかかるケースが多いです。その間に事情が変わって契約キャンセルになるとトラブルの要因になるため、注意が必要です。

【売買契約・引渡し時の注意点】

  • 売主には契約不適合責任がある
  • 契約後のキャンセル時はペナルティがある
  • 登記の手続きを忘れずに行う

5.1. 売主には契約不適合責任がある

売却した不動産の現況と契約内容が一致していない場合、買主から売主に対して代金の減額やリフォームを請求できます。

このように、売主が買主に対して負う責任を「契約不適合責任」と呼びます。

契約不適合責任の範囲や期限は契約時に指定できるため、条件交渉の際に確認しておくとリスクを防止できるでしょう。

不動産の良し悪しは個人での判断が難しいため、必要に応じてホームインスペクションを行うなど対策を取るのも手です。

5.2. 契約後のキャンセル時はペナルティがある

不動産売買契約から引渡しまでの間、買主の住宅ローン審査や売主の引っ越し準備などのために一定期間を要します。この間に事情が変わってキャンセルせざるを得なくなった場合、手付解除によってキャンセルできる可能性があります。

売買契約時に買主が売主へ預けるお金を「手付金」と呼びますが、この金額はキャンセル時のペナルティの基準です。買主都合でキャンセルする場合は預けた手付金を売主が没収すること、売主都合でキャンセルする場合は預かった手付金の倍額を買主へ支払うことでキャンセルします。

ただし、手付解除の期限は相手方が契約の履行に着手するまでです。たとえば、買主が代金の一部を支払った場合、手付解除によるキャンセルはできません。

売買契約は、当事者が契約に合意した時に結ぶ契約です。一度契約すると気軽にキャンセルできないため、不明点や不安がある場合、必ず契約締結前に確認しておきましょう。

尚、手付金に関する取り決めは契約内容によって異なるため、詳細は契約書をご確認ください。

【不動産売却】売買契約締結の際の手付金とは?
不動産売却を止めたい場合の注意点

5.3. 登記手続きを忘れずに行う

不動産を引き渡す際、所有権の登記手続きを忘れずに行いましょう。売買契約を締結して買主が代金を支払えば、取引が完結しているように思います。

しかし、不動産売買取引は、所有権の登記を行うことで完結するものです。

手続きをしないと後に面倒なトラブルが生じる可能性があるため、忘れずに手続きをしておきましょう。

不動産登記の必要性や費用については以下の記事で解説しています。

不動産売却の登記費用について

6. 不動産売却時の注意点【売却後】

不動産売却による利益を譲渡所得と呼び、譲渡所得に対して所得税・住民税の納税義務が生じます。譲渡所得が生じた場合、忘れずに確定申告しましょう。

譲渡所得税は特例制度やふるさと納税によって節税できるため、各制度について確認しておくこともおすすめします。

不動産売却後の確定申告と注意点
不動産売却時の譲渡所得について
【3000万円の特別控除とは】不動産売却で必要な税金の知識
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7. 相続・離婚による不動産売却の注意点

相続・離婚による不動産売却時は、一般的な不動産売却とは異なる注意点があります。

【相続・離婚による不動産売却時の注意点】

  • 相続時は相続登記を行う
  • 共有名義の不動産は勝手に売却できない

相続登記とは、被相続人(亡くなった方)から相続人へ不動産の名義を変更するための手続きです。不動産を売却するには、名義人と売主を一致させてから第三者へ売却する必要があります。

また、相続・離婚時に売却する不動産は共有名義であるケースが多いです。共有名義とは複数の人と不動産の権利を共有することです。

共有名義の不動産は、他の名義人全員の同意を得ていないと売却できません。他の名義人と話し合った上で手続きを進めましょう。

相続した不動産を売却する際のポイント
共有名義の不動産を売却するには

8. 不動産を高く売るポイント

不動産を高く売るポイントは、複数の不動産会社へ査定依頼することです。そうすることで、正しい相場を把握できるだけでなく、相性が良い営業担当者に出会える可能性が高くなります。

不動産一括査定を利用すると手軽に複数の不動産会社へ査定依頼できるので、ぜひご活用ください。

不動産一括査定を利用する

9. まとめ

ここで解説した通り、不動産売却時には多くの注意点があります。「売却」といっても進み具合によって確認するべき点が異なるため、流れに沿って把握しておきましょう。

注意点を見逃すと売却活動に支障をきたすリスクがあるため、情報収集は慎重に行ってくださいね。

  • 不動産売却の成功とは、高く・希望の期間内で売ること
  • 計画段階では、情報収集や現況確認をしっかりと行う
  • 不動産会社を査定額のみで選ばない
  • 状況に応じて売却活動を見直す
  • 売買契約の内容や売主の契約不適合責任に注意
  • 不動産売却後は確定申告が必要
  • 不動産を高く売るポイントは、複数の不動産会社へ査定依頼すること
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