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再建築不可物件の売却方法と注意点|不動産売却の中でも難易度が高い理由とは?

再建築不可物件の売却前に知っておきたい接道義務や売却方法、注意点など

不動産売却の中でも、再建築不可物件の売却は難易度が高いと言われています。「築年数が古いし、買い手が見つからないのでは…?」と諦めている方もいるのではないでしょうか。再建築不可物件の需要が低いことは事実ですが、売却できない訳ではありません。

売却に失敗しないように、売却方法や注意点を確認しておきましょう。

今は読んでいる時間が無い!という方、この記事の要点はこちら
  • 再建築不可物件は、建築基準法上の接道義務を果たしていない物件
  • 売却前に物件の市場価値を知っておくことが大切
  • 再建築不可物件は工夫次第で売却可能
  • 相談先を間違えると売却期間が長引く可能性大
  • 再建築不可物件に強い不動産会社探しには、無料の一括査定がおすすめ

1. 再建築不可物件とは?売却が難しいのはなぜ?

再建築不可物件とは、既存の建物を取り壊した後、その土地に新たに建物を建てることができない物件です。不動産売却の中でも難易度が高い物件と言われています。

  • なぜ再建築不可物件が存在するのか
  • なぜ売却が難しいのか

売却を検討している方は、再建築不可物件の事情や市場価値を把握しておくとよいでしょう。

1.1. 建築基準法上の「接道義務」を果たしていないから

まずは、再建築不可物件がどのような物件なのかについて解説します。再建築不可物件とは、建築基準法上の「接道義務」を果たしていない物件です。

建築基準法(第43条・第1項)では”建築物の敷地は、道路に2m以上接しなければならない”と定められており、これを「接道義務」と言います。接道義務が課される理由は、災害時における人々の避難経路や消防車・救急車の通路を確保するためです。

以下図Dのように間口が狭い土地や、Cのように道路に接していない袋地は再建築不可物件に該当します。




また、ここでの「道路」とは建築基準法上の道路です。原則では道路法や都市計画法、土地区画整理法などで定められた幅員4m以上の道路を指します。ただし、地域によっては幅員6m以上としているところもある、4m未満でも道路とみなされる場合があるなど、道路の定義には例外があります。

建築基準法の接道義務を果たしていない物件は、新築・増築時に必要な建築確認の申請が通らず、再建築できないという訳です(リフォームは可能)。

なお、再建築不可物件は違反建築物ではありません。再建築不可物件が存在するのは、建築基準法が制定されたのが1950年であるためです。法律が定められた当時、すでに存在していた建物は既存不適格建築物と呼ばれ、直ちに取り壊す必要はないとされています。

参考:e-GOV法令検索(建築基準法)

1.2. 買主がローンを組みにくいから

接道義務を果たしていない物件であることは、買主の融資審査にも影響を与えます。

金融機関による融資審査では、物件の担保評価(担保となる物件の価値)を考慮するケースがほとんどです。契約者のローン滞納時に金融機関等が担保となっている不動産を売却して債権回収しなければならないため、担保評価が審査に影響します。

再建築不可物件は、一般的な不動産よりも低く評価される傾向です。融資先によっては、接道義務を果たしていない物件を融資の対象外としているところもあります。

担保評価が低いと希望する金額の融資を受けられない、融資を受けられても金利が高いなど、購入検討者がローンを組みにくくなります。ローンを組みにくい物件は現金で購入できる方に限定され、買い手が見つかりにくくなるという訳です。

1.3. 買主にとってハイリスクだから

自然災害の多い日本では、地震や台風によって建物が倒壊するリスクが他国よりも高いと言えます。また、購入時に問題がない建物でも、いずれ老朽化するため建て替えなければなりません。再建築不可物件は建て替えができないため、長期利用を前提とする買い手にとってハイリスクな物件です。

1.4. 土地の用途が限定的だから

買主が購入後に駐車場や資材置き場など、建築以外の用途で土地を活用するとしても問題が生じます。

再建築不可物件は、接道に問題を抱えている物件がほとんどです。既存の建物を解体する際、重機の搬入が難しく、一般的な解体よりも費用の負担が増える恐れがあります。駐車場としての利用を検討するとしても土地の間口が狭く、車が通れないケースもあるでしょう。

再建築不可物件は用途が限定的なため、収益物件としての需要も低くなりがちです。

2. 再建築不可物件の売却方法

売却難易度の高い再建築不可物件ですが、売却できない訳ではありません。工夫を凝らせば、一般的な不動産と同じように売却できる可能性もあります。再建築不可物件の売却方法について解説します。

2.1. 現状のまま売り出す

駅から近い、日当たり良好など物件の条件によっては、現状のまま売却可能です。最近では自分でリフォームするために、あえて割安な物件を購入する方もいます。そういった層に向けて売却するのも手です。

2.2. セットバック要の物件として売却

再建築不可物件であっても、セットバックによって建築基準法の接道義務を果たすことができます。セットバックとは、建て替え時に敷地を後退させることです。

以下図のように、前面道路の幅員3mの土地があったとします。




建築基準法における道路は、原則幅員4m以上の道路であるため上図の土地は接道義務を果たしていません。

ただし、例外として以下の条件を満たす道路は「2項道路」と呼ばれ、前面道路の幅員4m未満であっても道路の中心線から2m後退した線を道路の境界線とみなして、接道義務を果たすことが可能です。

  • 接道義務が定められた当時すでに存在し、建築物が立ち並んでいた幅員4m未満の道路
  • 特定行政庁が指定した道路

※建築申請の確認などを行う市町村長や都道府県知事

上図のケースでは、建て替え時に敷地を0.5m後退させることで、前面道路の幅員4mを確保します。

2.3. 隣地所有者の協力を得る

隣地所有者の協力を得ることも選択肢の一つです。具体的には以下2つの方法があります。
  • 隣地の一部を買い取る
  • 隣地所有者へ売却する

例えば、隣地が接道義務を果たしているのであれば、道路に面している隣地の一部を買い取ることで接道義務を果たせます。また、隣地所有者が増築を検討している場合は、土地を買い取ってもらえるかもしれません。一度相談してみるのも手です。

ただし、いずれの方法も交渉の難易度が高く、手続きが煩雑になる恐れがあるため不動産会社へ相談の上、話を進めましょう。

2.4. 43条ただし書き道路の申請後に売る

建築基準法で定められている接道義務の例外として、43条ただし書き道路というものもあります。敷地が幅員4m未満の道路に2m以上接していない場合でも、周囲に広い空き地があるなど交通・安全・防火・衛生上で支障のない土地は、建築審査会の許可を得ることで建築が認められます。

ただし、土地によっては申請が通らない恐れがある点にご注意ください。

3. 再建築不可物件を売却する際の注意点

再建築不可物件の売却を検討している方が事前に知っておきたい注意点について解説します。売却で後悔しないように、手続きを進める前にぜひご確認ください。


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3.1. 仲介よりも買取が有利?

再建築不可物件を売却する際の相談先として、不動産会社をイメージする方が多いでしょう。不動産会社には仲介業者と買取業者があることをご存知でしょうか。

  • 仲介業者:売却活動を手伝ってくれる不動産会社
  • 買取業者:物件を直接買い取ってくれる不動産会社

仲介は、一般的に個人への売却になります。先述の通り、再建築不可物件にはローンを組みにくい、用途が限定されるといったデメリットがあるため買い手が見つからず、売却が長引いてしまうかもしれません。

買取の場合は不動産会社が買主になり、仲介よりも早く現金化できます。買取業者にはリフォームや売却戦略のノウハウがあるため、買い手が見つかりにくい物件でも買い取ってくれます。

ただし、対象の物件や売主の意向によって向き・不向きがあるため、どちらが良いかは一概に言えません。迷っている方は、両方に対応している不動産会社へ相談してみるのも手です。


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3.2. 相場よりも売却価格が下がる可能性大

再建築不可物件の相場は、一般的な物件の50%から70%程度と言われています。ただし、対象の物件や地域、売り出し方によって大きく異なるため適正価格で査定してくれる不動産会社を探しましょう。

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3.3. 複数社への査定依頼が重要

再建築不可物件の売り出し方には、複数の選択肢があります。物件に適した売却戦略を立てるために、地域の売却実績が豊富な不動産会社へ依頼することが重要です。必ず複数社へ査定依頼して、各社の提案や対応を比較してみてください。

複数社への査定依頼を効率良く済ませたい方には、無料の不動産一括査定サービスがおすすめです。あらかじめ売却に強い不動産会社を厳選しているため、物件と相性の良い不動産会社探しに最適です。

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4. まとめ

再建築不可物件には買い手にとって複数のデメリットがあり、売却の難易度が高めです。売却を検討している方は、物件特有の事情について理解を深めておきましょう。

難易度の高い不動産売却時は、実績が豊富な不動産会社への依頼がベストです。再建築不可物件に強い不動産会社探しには、無料の一括査定サービスをぜひご活用ください。

  • 再建築不可物件は、建築基準法上の接道義務を果たしていない物件
  • 売却前に物件の市場価値を知っておくことが大切
  • 再建築不可物件は工夫次第で売却可能
  • 相談先を間違えると売却期間が長引く可能性大
  • 再建築不可物件に強い不動産会社探しには、無料の一括査定がおすすめ

この記事のポイント Q&A

再建築不可物件とは?

再建築不可物件とは、既存の建物を取り壊した後、その土地に新たに建物を建てることができない物件です。不動産売却の中でも難易度が高い物件と言われています。

  • なぜ再建築不可物件が存在するのか
  • なぜ売却が難しいのか

売却を検討している方は、再建築不可物件の事情や市場価値を把握しておくとよいでしょう。

詳しくは<1. 再建築不可物件とは?売却が難しいのはなぜ?>をご参照ください。

再建築不可物件を売却する際の注意点

再建築不可物件の売却を検討している方が事前に知っておきたい注意点は

  • 仲介よりも買取が有利?
  • 相場よりも売却価格が下がる可能性大
  • 複数社への査定依頼が重要

詳しくは<3. 再建築不可物件を売却する際の注意点>からそれぞれご参照ください。

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