あなたの不動産を無料で査定
リースバックのメリット・デメリットから失敗を防ぐための注意点まで
不動産を購入する際、多くの人が20年、30年といった長期のローンを組みます。しかし、変化の激しい現代社会では、購入当初に想定していた生活環境から大きく変わってしまうこともありますよね。
生活環境の変化から、大切な資産を売却してでも現金が必要になることもあると思います。
この記事を読んでいるあなたも、リースバックの不動産売却による資金調達を検討しているのではないでしょうか。
リースバックとは、不動産を売却後もそのまま住み続けることができる売却方法の1つです。「すぐに現金が必要、でもマイホームを手放したくない…」そんな人はリースバックによる不動産の売却が向いているかもしれません。
ただし、リースバックの仕組みは単純ではないため、時にはトラブルが生じることもあります。
ここでは、リースバックによる不動産の売却で失敗しないために、仕組み、メリット・デメリット、起こりやすいトラブルについての解説です。
今は読んでいる時間が無い!という方、この記事の要点はこちら目次
リースバックとは、マイホームなどの資産を第三者に売却し、リース契約を締結することで売却した資産をそれまでと同じように利用できる売却方法です。
リースバックでマイホームを売却する場合、売却後に買い手と賃貸借契約を締結することで、そのままマイホームに住み続けることができます。
ここでは、リースバックによる不動産売却の仕組みについて解説します。
リースバックによる不動産売却では、リースバック事業者などの買い手と売買契約・賃貸借契約という2つの契約を締結するケースが一般的です。
たとえば、あなたがリースバックを利用してリースバック事業者へマイホームを売却するとしましょう。まず、リースバック事業者に不動産を売却して、売買代金を受け取ります。
この時、不動産の所有権はリースバック事業者へ移転するため、あなたは売却した不動産の所有者ではなくなります。
次に、リースバック事業者と賃貸借契約を締結。この段階で、あなたとリースバック事業者は「売主」と「買主」ではなく「借主」と「貸主」の関係になります。
そして、あなたがリースバック事業者(貸主)に対して毎月家賃を支払うことで、売却したマイホームにそのまま住み続けることができる仕組みです。
リースバックで不動産を売却する場合、売買契約締結時に「再売買予約権※」という権利を付帯しておくと売却した不動産を将来的に買い戻すことができます。
※再売買予約権ではなく、買戻し特約や他の呼び方をすることもあるため、契約時に確認しましょう。「一時的に現金が必要だけど、将来的にマイホームを買い戻したい」
このようなケースでは、リースバックによる不動産の売却が有効的な手段の1つです。
それでは、リースバックは具体的にどのようなケースで活用できるのでしょうか。以下に具体的な活用事例をまとめたので、参考にしていただければと思います。
【リースバックの活用事例】
不動産の売却でリースバックを利用するメリットは、以下の通りです。
【リースバックを利用するメリット】
リースバックは、不動産を売却してもそのまま住み続けることができるため、それに付随したメリットが多数あります。また、不動産を売却した後は所有権が新しい所有者へ移転するため、固定資産税や住宅ローンと言った、不動産を所有している上でのわずらわしさからも解放されます。
再売買予約権を設定しておけば、売却したマイホームを将来的に買い戻すことも可能です。「マイホームに愛着があるものの、今はどうしても現金が必要」という人には大きなメリットでしょう。
さらに、リースバックの売却先はリースバック事業者であるケースが多いため、一般的な不動産の売却よりも短期間で売却できます。すぐに現金が必要な人にとって、大きなメリットです。
不動産の売却にかかる期間はどれくらい?不動産の売却でリースバックを利用するデメリットは、以下の通りです。
【リースバックを利用するデメリット】
上記のデメリットは、どれもリースバックを利用する際に注意しなければいけない大切なポイントになります。大切なことなので、起こりやすいトラブルとして次の章で詳しく解説します。
「現金が手に入り、不動産を売却してもそのまま住める」
これだけ聞くと、リースバックは売り手にとって有利な取引手法に感じるでしょう。しかし、リースバックの仕組みは単純ではないため、トラブルも少なくありません。
リースバックによるトラブルの原因で多いのは、売り手とリースバック事業者の認識の違いから生じるケース。起こりやすいトラブルから、注意点を確認しておきましょう。
リースバックを検討している人の中には、住宅ローンの返済に困窮している人もいると思います。リースバックを利用すれば現金が一括で手に入るため、残債が少ない場合はローンを完済しつつ手元にお金を残せます。
しかし、リースバックで不動産を売却する場合、一般的な不動産の取引価格よりも安くなるケースが多いため注意が必要です。あくまでも目安ですが、売却予定の不動産の市場価格×70%〜90%が最大価格となることが多くなっています。たとえば、市場価格が1000万円の不動産の場合は、700万円〜900万円が売却価格の最大です。
金融機関からマイホームのための融資を受ける際、不動産が担保となっていることが一般的です。その場合、不動産には抵当権※が設定されています。抵当権は、ローンを完済しなければ抹消できないため、売買代金でローンを完済できなければリースバックを利用できない可能性が高いでしょう。
※抵当権:ローン契約者の返済が滞った場合、金融機関が不動産を競売にかけるために設定する権利です。売却後もリースバックで売却した不動産に住み続ける場合、毎月賃料の支払いが発生します。この際の賃料は、売却価格に対して〇%と設定されるケースが一般的なため、売却価格が高いほど賃料も高くなる仕組みです。
そのため、賃料が周辺相場よりも高くなる可能性があるでしょう。
資金調達のためにリースバックを利用する場合、必要資金が高額でなければ、あえて低い金額で売却することも選択肢の1つです。
リースバックのメリットの1つは、売却した不動産を将来的に買い戻せること。しかし、買い手と締結する賃貸借契約が「定期借家契約」の場合は注意が必要です。
不動産を賃貸する際の契約には、「普通賃貸借契約」と「定期借家契約」があります。前者は一般的な賃貸物件で利用される契約で、更新を前提とした契約です。普通賃貸借契約では、貸主が更新を一方的に拒絶することはできません。
一方、定期借家契約とは予め期間を定めておき、更新をしない契約です。契約満了後も住み続けたい場合、更新ではなく再契約をします。ただし、定期借家契約では貸主が再契約を締結する義務はないため、契約期日が到来した場合、契約を終了させることも可能です。
買い戻すことを計画していたのに、定期借家契約を再契約できず、不動産を手放すはめになってしまうリスクがあるでしょう。
将来的に買い戻すことを検討している場合、普通賃貸借契約を締結すること、リースバックの契約時に買い戻す際の取り決めを明確にしておくことが大切です。
リースバックで売却した不動産を買い戻す場合、売却価格よりも高くなるケースが一般的です。買い戻し価格の目安は売却価格×1.1倍〜1.3倍。売却価格が2000万円だった場合の買い戻し価格は、2200万円〜2600万円が目安となります。
買い戻す際の価格が高くなる理由は、買い手が購入時の金額に購入時・売却時にかかる諸費用、場合によっては利益を上乗せするためです。
リースバックを契約する際に買い戻し価格を定めておくことも可能なので、契約時に内容をしっかりと確認することが大切です。
状況によっては、そもそもリースバックを利用できない場合もあります。たとえば、以下のケースが挙げられます。
先述の通り、リースバックは一般的な売却よりも売却価格が低く、賃料相場よりも賃料設定が高くなる傾向です。上記のケースでは売り手・買い手が満足する取引ができないため、リースバックの利用は難しいでしょう。
リースバックと勘違いされることが多い資金調達の方法に、「リバースモーゲージ」というものがあります。
リバースモーゲージは、リースバックと同じようにマイホームに住み続けながら資金調達できる方法ですが、不動産を売却せずに担保にするといった点で全く異なります。
以下の表は、リースバックとリバースモーゲージの違いをまとめたものです。
【リースバックとリバースモーゲージの違い】
リースバック | リバースモーゲージ | |
---|---|---|
マイホームでの生活 | 〇 | 〇 |
不動産の取り扱い | 売却する | 担保にする |
所有権の移転 | 〇 | × |
資金調達の可否 (現金の性質) | 〇 (売買代金) | 〇 (借入金) |
固定資産税・都市計画税の納税義務 | × | 〇 |
対象年齢 | 制限なし | 65歳以上など高齢の方が多い |
将来の不動産の取り扱い | 買い戻せる可能性がある | 借入金返済のため売却する |
どちらも資金調達できる点は同じですが、リースバックによる資金は資産を売却して得られるもの、リバースモーゲージによる資金は将来返済する義務があるものです。
それぞれの特徴を理解して、自分の目的に合った手段を選ばなければ後悔する原因になるでしょう。リースバックは、将来的に不動産を買い戻せる性質があるため、若年層にも向いている方法です。一方、リバースモーゲージは高齢の方が老後資金を調達するために利用するケースが多いです。
不動産の売却等による資金調達を検討している人は、ご自身に合った手段を検討しましょう。
リースバックによる不動産の売却は、売却後もマイホームに住み続けられる便利な方法です。しかし、仕組みが単純でないことから、さまざまなトラブルが生じる場合があります。
リースバックによる不動産の売却を検討している人は、しっかりと契約内容や仕組みを理解しておくことが大切です。
不動産売却の基礎知識 【5分で納得】5つのポイント
不動産売却が「納得できる取引」となるよう、押さえておくべき5つのポイントについてご紹介
【記事更新日】
不動産売却で失敗しないための査定方法
不動産売却時の相場確認方法から、失敗しない査定依頼の方法まで
【記事更新日】
不動産売却における必要書類
不動産売却時から売却後の確定申告での必要書類まで解説
【記事作成日】
マンションを売却するか、賃貸に出すか
マンションを売却するか、賃貸に出すか悩んでいる方に抑えるべきポイントをご紹介
【記事更新日】
定期借地権付きマンションへの住み替え・買い替え
マンションの住み替え、買い替えをご検討されている方に、定期借地権付きマンションについて解説
【記事更新日】
不動産売却時の売り出し価格の決め方
売り出し価格を決める際の抑えるべきポイントをご紹介
【記事更新日】
一戸建て住宅の資産価値と持ち家志向の変化
リセールバリューと価格の下落率、持ち家志向の意識調査から読み解く一戸建て住宅
【記事更新日】
【不動産売却】抵当権がついている家や土地を売る場合
抵当権のついた不動産の売却方法の注意点や売却方法
【記事作成日】
外国籍の方が不動産売却時に必要な手続きや注意点
手続きのポイントから税金について
【記事作成日】
空き家を売却する際の注意点
注意点から税金の特例制度まで
【記事作成日】
不動産売却時:路線価、固定資産税評価額を使用した売却価格の計算方法など
路線価の定義から計算方法まで
【記事作成日】
不動産売却時に委任状が必要なケース
委任状を作成する際のチェックポイントから代理人による手続きの注意点まで
【記事作成日】
不動産が売れない理由と対処法
買主の行動パターンから考える、あなたの不動産が売れない6つの理由
【記事作成日】
不動産売却を止めたい場合の注意点
手続きの進行度別の注意点とキャンセル時の違約金
【記事作成日】
家や土地の権利証を紛失した場合【不動産売却時】
権利証・登記識別情報の特徴から紛失時の売却方法まで
【記事作成日】
不動産売却時の内覧を成功させるコツとは
内覧準備のポイントから成約率UPのコツ・当日の注意点まで
【記事作成日】
不動産売却時の価格交渉について
価格交渉のタイミングや値下げ幅の相場から、売り出し価格設定時のヒントまで
【記事作成日】
不動産の売却を入札方式で行う方法
入札方式のメリット・デメリット、流れなど
【記事作成日】
不動産売却時のハウスクリーニングが効果的な2つのケースとは?
ハウスクリーニングの費用相場から失敗しない時期・注意点・業者選びのポイントまで
【記事作成日】
不動産売却時の値下げのタイミング・値下げ幅の目安とは?
売主が損をしないためのポイントと値下げを避け続けるリスク
【記事作成日】
【不動産一括査定後の断り方】不動産会社への上手な対応方法
お断り時のポイント・注意点、メールによる具体的な断り方
【記事作成日】
不動産売却を行うなら知っておきたいREINS(レインズ)について
不動産売却に欠かせないREINS(レインズ)の仕組みから見方まで
【記事作成日】
【不動産売却】住宅ローンが残ったまま住み替える際に抑えるべきポイント
住宅ローンの残っている住宅から住み替える際の売却戦略から節税方法まで
【記事作成日】
空き家は売却するべき?意外とかかる固定資産税や維持費
空き家にかかる費用から放置するデメリットまで
【記事作成日】
【不動産売却】反復継続と見なされない為の注意点
不動産売却で気を付けたい反復継続の注意点から該当しやすいケースまで
【記事作成日】
不動産の売却前にリフォームは必要?後悔する前に知っておきたい売却事情
不動産売却前のリフォームが失敗しやすい理由やリフォームにかかる費用、注意点
【記事作成日】
農地所有者は不動産売却で苦労する?その理由と売却時の流れ・費用
農地の売却が難しいと言われる理由や売却方法から費用まで
【記事作成日】
不動産売買の買付証明書って何?買主が提出するメリット・デメリット
売主が買付証明書を受け取った際のチェックポイントから買付証明書に関するトラブルまで
【記事作成日】
マンション売却は複数社へ依頼する?不動産会社と結ぶ媒介契約の選び方は?
媒介契約の選び方と契約タイプ別のメリット・デメリット
【記事作成日】
不動産を早く売りたい!ケース別の3つの対策|急いで売る場合の注意点は?
不動産を早く売るための対策と急いで売る場合のポイント
【記事作成日】
不動産を高く売る方法とは?5つのコツと損失を招く行動3選
不動産を高く売るために押さえておきたい3つの基本や5つのコツ、損をしやすい行動
【記事作成日】
海外に住む方(非居住者)による不動産売却時の税金・確定申告
非居住者にかかる所得税・住民税の仕組みや確定申告について
【記事作成日】
不動産の売却期間が長引く原因・対処法|長期化した場合のリスクとは?
不動産の売却期間が長引く原因・対処法と売却期間が長引いた場合のリスクについて
【記事作成日】
築30年超えの不動産売却時に押さえておきたい「5つのコツ」と築古物件の資産価値
築30年を超える不動産を売却するコツと資産価値の考え方
【記事作成日】
中古物件の売却に効果的?不動産売却時にホームステージングを実施するメリット
不動産売却時に知っておきたいホームステージングの効果や費用、注意点など
【記事作成日】
不動産売却時は「インスペクション」するべき?宅建業法改正で注目される住宅診断について解説
インスペクションの内容や売主が実施するメリット・デメリット、費用の相場など
【記事作成日】
築浅物件の売却時に要配慮!「新築プレミアム」とは?影響を受けやすいケース・値決めのコツ
新築プレミアムの意味や売却時に影響を受けやすいケース、築浅物件における値決めのコツ
【記事作成日】
不動産売却時の参考になる「公示価格」とは?実勢価格の算定方法と注意点
公示価格を参考に実勢価格を求める方法や自分で査定する場合の注意点など
【記事作成日】
不動産査定にかかる費用と注意点
不動産査定の依頼先から査定書の読み方まで
【記事作成日】
進化し続けるAIによる不動産査定
気になるAIによる不動産査定の仕組みや精度を解説
【記事更新日】
不動産一括査定のメリット、デメリット
相性の良い不動産会社探しには不動産一括査定サイトがおすすめ
【記事作成日】
不動産査定書とは?無料版・有料版それぞれの特徴と違い
不動産査定時の必要書類から査定の賢い活用方法まで
【記事作成日】
不動産査定の結果を比較する際のポイントや注意点
自分に合った不動産会社を選ぶ際のヒント
【記事作成日】
不動産の査定前に必要な準備と注意点
7つの確認事項と査定に失敗しないための注意点
【記事作成日】
不動産査定を自分で行う方法と査定で失敗しないための基礎知識
不動産の相場を自分で調べる方法から査定前に知っておきたい基礎知識まで
【記事作成日】
【不動産査定のポイント】評価が高くなる不動産の特徴とは?
不動産会社が査定時に考慮するポイントと不動産査定を上手に活用するポイント
【記事作成日】
表面利回りと実質利回りの基本的な捉え方
利回りについての基本的な捉え方をご紹介
【記事更新日】
【不動産投資】バランスシートで見るアパート経営
バランスシートを使ってアパート経営の資産状況の変化を解説
【記事更新日】
【不動産投資】資産価値をアップさせるリフォーム
リフォームでご自宅の資産価値を上げる方法についてご紹介
【記事更新日】
【不動産投資】アパート経営を失敗しないために-建物の名義について
相続税対策でアパート経営をはじめる場合の建物名義について
【記事更新日】
【オーナーチェンジでの不動産売却】お悩み解消Q&Aや注意点、流れなど
オーナーチェンジ物件を売却する場合の基本情報やメリット・デメリット、流れ
【記事更新日】
不動産投資の出口戦略による失敗回避!中古物件の売却パターンと適切なタイミング
不動産投資における出口戦略のパターンや売却しないデメリット、適切なタイミングなど
【記事更新日】
あなたの不動産を無料で査定