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不動産売却にかかる費用

不動産売却にかかる費用の一覧と目安まで

不動産を売却する時には、不動産を購入する時と同様、仲介手数料を始めとした様々な費用がかかってきます。

どんな費用が、どれくらいかかるのか事前に知っておくことで、売却活動中に慌てずに済みます。

そこで、ここでは不動産売却にかかる費用について詳しく解説していきます。

今は読んでいる時間が無い!という方、この記事の要点はこちら
  • 売却する物件によってかかる費用が変わる
  • 印紙税の貼り忘れに注意
  • 固定資産税は引き渡し日以前の日割りで計算するのが一般的
  • 譲渡所得税には特例があるのでチェック

1. 不動産売却にかかる費用の一覧

まずは、不動産売却にどのような費用がかかってくるのか確認しましょう。

一般的に不動産を売却する場合には、下記のような費用が発生します。

1.1. 必ずかかる費用

  • 仲介手数料
  • 印紙税
  • 登記費用
  • 固定資産税
  • 譲渡所得税

1.2. 必要に応じてかかってくる費用

  • 土地の測量費用
  • 建物の解体費用
  • ハウスクリーニング費用
  • 家具などの廃棄費用

不動産売却時にも様々な費用がかかってくることが分かりますね。

その他にも土地の境界が確定していない場合は、土地の測量を行い、大きさを確定させる必要があり、測量費用がかかります。

建物が古いなどの理由で、建物を解体してから売却する場合は、建物の解体費用がかかります。

家の中に家具が残っており、処分する場合にはその費用がかかりますし、マンションや戸建てなどの売却時にはハウスクリーニングを入れたりすることもあるでしょう。

自分の売却したい物件によってかかってくる費用は変わります。


不動産会社によっては測量や解体を行ってくれる会社を紹介してくれる場合もありますので、一度相談してみると良いでしょう。

2. 不動産会社に支払う仲介手数料

不動産にかかる費用の中でも、仲介手数料はその大部分を占めます。

仲介手数料とは、売却が成立した際に不動産会社へ支払う手数料ですが、売却する物件の金額によって手数料の金額も変動します。

売買金額が400万円を超える場合、「物件価格の3%+6万円+消費税」が仲介手数料の上限金額となります。

例えば、5,000万円の物件を売却した場合、最大で156万円(税抜)の仲介手数料がかかります。

仲介手数料については、不動産会社によっては交渉の余地がある場合もありますので、売却をお願いしたい不動産会社の話を良く聞き、どの不動産会社に依頼するか検討する必要があります。

不動産の一括査定なら、一回の入力で様々な不動産会社と連絡が取れるため便利です。

仲介手数料について詳しく知りたい方はこちらの記事もチェックしてみてくださいね。

不動産売却にかかる仲介手数料

3. 印紙税

印紙税は、売買契約書に課税される税金で、売買契約の締結時に支払う必要があります。

印紙税も仲介手数料と同様、売買契約書に記載された物件の価格によって金額が変動します。


印紙税早見表

契約金額税額
10万円を超え50万円以下のもの200円
50万円を超え100万円以下のもの500円
100万円を超え500万円以下のもの1千円
500万円を超え1千万円以下のもの5千円
1千万円を超え5千万円以下のもの1万円
5千万円を超え1億円以下のもの3万円
1億円を超え5億円以下のもの6万円

※平成26年4月1日から令和2年3月31日までの軽減措置を反映した金額です。

不動産売買の慣習では、印紙税は売主と買主がそれぞれ半額ずつ負担するのが一般的です。

物件の売買金額によって金額が変動してしまうので、いくらの収入印紙が必要か確認しておきましょう。

また、収入印紙の貼り忘れで印紙税の納付が漏れてしまった場合、印紙税の額とその2倍の額を過怠税として徴収されることになってしまいます。つまり、本来納付するべき印紙税の3倍の金額になってしまいます。

ただし、税務署に納付が漏れてしまったことを申告した場合は、過怠税が印紙税の1.1倍になることもあります。

収入印紙の貼り忘れがないようにしたいですが、もし貼り忘れてしまった場合は税務署に申告するようにしましょう。

4. 登記費用

不動産を売却する際には、不動産の登記が必要となってきます。

不動産の登記には、大きく分けて「表題部」「権利部」の二つの枠があり、「権利部」はその中でも「甲区」「乙区」に分かれています。

「表題部」とは、該当の不動産の概要がかかれた部分で、所在地や、地目等の種類、建築物であればいつ建築や増築されたのか等が記載されています。

「権利部」とは、該当の不動産に関連する権利を誰が持っているのか、ということについて記載されています。

「甲区」は、所有権に関する項目が記載されており、誰がその物件を所有しているのか、差し押さえなどがされていないかなどが確認できます。

「乙区」は、所有権以外の権利について記載されており、住宅ローンを借りるときなどに設定される「抵当権」や貸し出した際に記載される「賃借権」などが記載されています。

不動産売却時に変更するのは、「権利部」です。

所有者が売主から買主に移動しますので、所有権を記載している「甲区」は必ず変更となります。

また、住宅ローンを借りている場合など抵当権が設定されている場合は、抵当権を外してから売却することになりますので、「乙区」も変更となる場合があります。

上記のように、不動産売却で行われる不動産登記は主に「所有権の移転」と「抵当権の抹消」となります。

4.1. 所有権移転の登記

不動産の所有権移転の登記は、必ずしも行わなくてはいけないことではありませんが、所有権の移転をしない場合、買主の不利益になってしまいます。

そのため、不動産の所有権移転の登記は買主が行うこととなります。

特段の取り決めがない場合、一般的には所有権移転の登記費用は買主の負担となりますので、売主が負担することはあまりありません。

4.2. 抵当権の抹消

住宅ローンを借り入れているなど、売却したい不動産に抵当権が設定されている場合には、設定された抵当権を抹消する必要があります。

不動産の抵当権を抹消するためには、まずは住宅ローンなどの借入金を完済しなくてはなりません。

抵当権は、設定された不動産を担保にして借り入れをしたときに設定される権利ですので、完済前に抹消することはできません。

借入金の完済後、抵当権を抹消するには、「自分で行う」か「司法書士に依頼する」かの2択になります。

4.2.1. 自分で抵当権の抹消をする場合

自分で行う場合は、登記済証等の必要書類を集めて法務局で手続きをする必要があります。

その場合、費用として不動産1つにつき1,000円の「登録免許税」がかかってきます。

一戸建ての場合、土地と建物それぞれに抵当権が設定されていることが一般的ですので、その場合は土地と建物で2,000円かかります。

また、土地が1筆ではなく、分かれている場合はそれぞれに費用がかかってしまいます。

マンションの場合も、土地に権利があることが一般的ですので、その場合にも土地と建物でそれぞれ費用が発生することとなります。

4.2.2. 司法書士に抵当権の抹消を依頼する場合

司法書士に抵当権の抹消を依頼する場合、上記の「登録免許税」の他に「報酬」がかかってきます。

司法書士によって報酬額は前後しますが、おおよそ「約15,000円?20,000円」程度が一般的です。

司法書士に依頼する場合、費用は多少かさみますが、必要書類等を集めたり、手続きしたりする手間もなく済みます。

また、売却先が決定する前に借入金を完済できる場合は、自分で抵当権の抹消を行って費用を抑えることもできますが、あまり手元に資金がなく、売却した金額を借入金の返済に充当したい場合は、司法書士に依頼することをお勧めします。

売却した金額で抵当権を抹消する場合は、「所有権の移転」と「抵当権の抹消」の登記を同日に行う同時決済を行うのが一般的です。

買主からすると、所有権の移転が遅れてしまうとそれだけで不利益となり得るため、なるべく早く「所有権の移転」を行いたいものです。

自分で行う場合、慣れていない分時間もかかってしまいます。お互いに気持ちの良い取引をするためにも、依頼するという選択も視野に入れていただくと良いと思います。

5. 固定資産税

固定資産税は、毎年1月1日に不動産を所有している人に対して課される税金です。

それぞれ、土地と建物に課税され、計算は下記の通りとなります。

土地

課税標準額(「土地の課税標準額の算出方法」参照)× 税率1.4%

家屋

課税台帳に登録されている価格 × 税率1.4%

償却資産

課税標準額 × 税率1.4%(「償却資産の税額等の算出方法」参照)

固定資産税は、その年の1月1日に所有していた人に課される税金ですので、売買が成立した年には、売主に納税の義務があります。

一般的には、売主で買主と協議を行い、引き渡し日以前を売主、引き渡し日以降を買主がそれぞれ負担するように日割りで計算することになると思います。

その場合、売却時に買主から引き渡し日以降の固定資産税の代金を受領し、納税は売主で行う形となります。

6. 譲渡所得税

土地や建物を売却した際の利益である「譲渡所得」には税金がかかります。

譲渡所得税は、長期譲渡所得か短期譲渡所得かによって税率が変わります。

長期譲渡か短期譲渡かは、不動産を売却した年の1月1日時点で、不動産を所得してから5年経過しているかどうかによって決まります。取得した日から売却した日までの期間ではありませんので、注意が必要です。

区分 所得税 住民税
長期譲渡所得(5年超) 15.315% 5%
短期譲渡所得(5年以下) 30.63% 9%
※上記所得税の税率には、復興特別所得税(平成25年1月1日から令和19年12月31日までの間に生ずる所得が対象)として基準所得税額の2.1%相当が上乗せされています。

譲渡税の計算方法は、下記の通りです。

譲渡価額 −(取得費+譲渡費用+印紙代)− 特別控除額(一定の場合)= 課税譲渡所得金額

特別控除額は、売却する不動産によって変わってきます。

自宅として使用している住宅であれば、3,000万円の特別控除などの特例を受けることができます。

譲渡所得税について詳しく知りたい方はこちらの記事もチェックしてみてくださいね。

不動産売却にかかる税金と損しないための節税方法

また、不動産の譲渡所得税については、不動産を売却した後の確定申告で金額を確定させます。

不動産売却で利益が出ず、むしろ損失が発生してしまった場合は、確定申告の必要はありませんが、他の所得と損益通算することができますので、売却後は必ず確定申告をするようにしましょう。

不動産売却後の確定申告について詳しく知りたい方はこちらの記事もチェックしてみてくださいね。

不動産売却後の確定申告と注意点

7. 不動産売却にかかる費用の目安

ここまで、不動産にかかる費用について詳しく解説してきました。

不動産売却にかかる費用については、仲介手数料など売却したい不動産によって費用が変わってしまうものもありますので、一概にこのくらいというのは言えません。

そこで、今回は3,000万円の一戸建て(自宅)を売却した場合にかかる費用を計算してみましょう。

7.1. 【売却価格 3,000万円 土地付き一戸建ての場合】

仲介手数料(税込み、10%) 105.6万円
印紙税 1万円
登記費用(土地・建物に住宅ローンあり、司法書士に依頼する場合) 約2.2万円
不動産譲渡所得税 マイホームの3000万円特別控除によりかかりません。
108.8万円

ハウスクリーニングを行う場合や、土地の境界が確定していない場合は、更にその費用が追加でかかってくることになります。

8. まとめ

不動産売却時にかかる費用について解説しました。不動産は購入するときだけでなく、売却時にも様々な費用がかかってきます。

不動産の売却時の費用は、なるべくであれば不動産の売却益で支払ってしまいたいですよね。

不動産会社によって不動産の査定金額が異なりますので、まずは一括査定で売却を希望する不動産の査定から始めてみるのをおススメします。

  • 売却する物件によってかかる費用が変わる
  • 印紙税の貼り忘れに注意
  • 固定資産税は引き渡し日以前の日割りで計算するのが一般的
  • 譲渡所得税には特例があるのでチェック
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