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中古マンションの相場が4,000万円以下の街について、特徴を比較して住みやすい街を探そう
住む地域を選ぶ上で、住宅価格の手ごろさは重要なポイントです。住宅価格を抑えることができれば、生活にゆとりが生まれ、暮らしやすくなります。
首都圏の住宅価格は東京都心から距離が離れるほど、価格が安くなることが一般的です。例えば、中古マンションの相場が4,000万円以下の街はどこに存在し、どのような特徴があるのでしょうか。この記事では、「中古マンションの相場が4,000万円以下の街の違い」をテーマに解説します。
目次
最初に、適正な住宅ローンの観点から4,000万円の住宅購入に必要な年収について解説します。
住宅ローンの適正な借入額を判断する目安の一つに、返済負担率(返済比率)があります。
返済負担率とは、額面年収に対する住宅ローンの年間返済額(利息も含む)の占める割合のことです。
返済負担率 = 年間返済額 ÷ 額面年収
返済負担率は20〜25%以内に抑えることが適切とされています。
住宅を購入する場合、頭金は住宅価格の2割程度を用意することが望ましいです。
4,000万円の住宅を購入する場合、頭金が2割とすると、頭金は800万円、住宅ローン(利息を除く返済額)は3,200万円となります。
返済負担率および返済額からから導きだせる年収の目安を示します。
例えば3,200万円を35年で全期間固定の1.5%で借りた場合、毎月の返済額は97,979円となり、年間返済額は1,175,748円です。
年間返済額が1,175,748円の場合、額面年収は返済負担率が20%だと約588万円、25%だと約470万円です。
つまり、年収が470〜588万円程度であれば、4,000万円の住宅を無理なくできる可能性が高いといえます。
中古マンションの相場が4,000万円以下の街として、ここからは埼玉県戸田市と千葉県浦安市、東京都葛飾区の3市区を紹介します。
戸田市と浦安市、葛飾区の3市区は、中古マンションの平均価格が4,000万円以下の自治体を1都3県の中から都道府県をばらして選定しています。
平均価格のデータは、国土交通省の不動産取引価格情報における2022年第2四半期から2023年第1四半期の間で65m2の中古マンション取引価格の平均値より抽出したものです。
市区 | 平均価格 |
---|---|
戸田市 | 3,350万円 |
浦安市 | 3,927万円 |
葛飾区 | 3,786万円 |
3市区の基本情報として、規模感や発展性、人口構成に関するデータを以下に示します。
項目 | 戸田市 | 浦安市 | 葛飾区 |
---|---|---|---|
人口総数 | 141,324人 | 168,658人 | 462,083人 |
総面積 | 18.19km2 | 17.30 km2 | 34.80 km2 |
可住地人口密度 | 7,746人/ km2 | 9,905人/ km2 | 13,020人/ km2 |
人口増減比率※ | 103.5% | 104.5% | 102.3% |
年少人口率(15歳未満) | 14.30% | 12.41% | 11.33% |
生産年齢人口率(15〜64歳) | 69.06% | 69.29% | 63.99% |
高齢人口率(65歳以上) | 16.64% | 18.30% | 24.68% |
人口総数および可住地人口密度に関しては、多い順または高い順から葛飾区、浦安市、戸田市の順番となっています。
人口から見る自治体の規模は、3市区の中では葛飾区が最も大きな自治体です。
人口増減比率に関しては、3市区とも増加傾向にあります。
近年、人口が増加している市区の多くは出生による自然増ではなく、移動による社会増が主たる要因です。
3市区とも、流出よりも流入が上回る状態が続いており、人口増加が継続しています。
年少人口率に関しては、多い順から戸田市、浦安市、葛飾区の順番となっています。
高齢人口率も、低い順から戸田市、浦安市、葛飾区の順番となっており、3市区の中では戸田市が最も若い世代が多く、これからの発展性が期待できる街です。
生産年齢人口率に関しては、戸田市と浦安市は、ほぼ同率となっています。
ただし、年少人口率は戸田市の方が若干高く、人口増減比率は浦安市の方が若干高いです。
住宅関連のデータを示すと、下表の通りです。
項目 | 戸田市 | 浦安市 | 葛飾区 |
---|---|---|---|
通勤時間 | 48.7分 | 49.0分 | 47.4分 |
土地平均価格(住宅地) | 270,625円/m2 | 319,250円/m2 | 319,750円/m2 |
1住宅当たりの延べ床面積 | 66.93m2 | 71.60m2 | 69.71m2 |
持ち家比率 | 46.48% | 48.77% | 50.69% |
増改築・補助/助成金制度 | あり | あり | あり |
3市区は通勤時間がどの市区も50分弱であり、ほぼ同じです。
土地価格は浦安市と葛飾区が同水準であり、戸田市はやや低いです。
1住宅当たりの延べ床面積は、戸田市は66.93m2であるのに対し、浦安市は71.60m2となっています。
中古マンションの平均価格が同じであっても、浦安市はやや広めの物件が多いことがわかります。
持ち家比率は、3市区とも50%前後です。
持家比率は全国平均が約60%程度ですので、3市区の持家比率は全国平均に比べると低くなっています。
3市区はいずれも都市部に近い街であるため、賃貸の居住者も多い点が共通した特徴です。
また、3市区とも家の増改築について補助金制度があります。
それぞれの補助金制度の上限金額と内容は、下表の通りです。
市区 | 上限金額 | 内容 |
---|---|---|
戸田市 | (1)10万円 (2)60万円 (3)60万円 |
(1)【戸田市住宅改修資金助成制度】市民が、市内施工業者を利用して20万円以上の個人住宅等の改修工事を行う場合、その費用の一部を助成する。 (2)【戸田市既存住宅耐震診断・改修補助金制度】補助対象は1981年以前に着工された一戸建て住宅または共同住宅、耐震診断の場合は一戸建て住宅または木造共同住宅は、要した費用で上限10万円を補助、耐震改修の場合は、一戸建て木造住宅のみ、要した費用の1/3以内で上限50万円を補助。他要件あり。 (3)【戸田市空き家への住み替え補助金】戸田市空き家バンクに登録された物件を購入し、当該物件の改修を行う際は要した費用の1/2以内で上限60万円、除却を行う際は要した費用の1/2以内で上限50万円を補助。他要件あり。 |
浦安市 | (1)12万円 (2)140万円 |
1981年5月31日以前に着工された2階建て以下の木造住宅が対象。 (1)【木造住宅耐震診断助成制度】耐震診断費用の9/10を助成。上限は12万円。 (2)【木造住宅耐震改修助成制度】補強設計にかかった費用の1/2で上限4万円、工事監理にかかった費用の1/2で上限6万円、工事費にかかった費用の1/2で上限110万円(特定高齢者、障がい者、市民税非課税世帯は限度額130万円)。その他、分譲マンション、緊急輸送道路沿道建築物等にも補助金制度あり。 |
葛飾区 | (1)無料 (2)180万円 (3)200万円 |
(1)【葛飾区木造建築物耐震診断士派遣】無料(要件あり)。 (2)【葛飾区木造住宅耐震助成】補強設計・改修は、最大180万円。改修のみの場合、最大160万円。除却は、最大50万円。それぞれ要件あり。 (3)【葛飾区不燃化特区老朽建築物除却助成】不燃化特区内での除却は最大200万円(要件あり)。※ |
増改築の補助金制度は、中古住宅を購入後、リフォームする際に利用できる制度です。
3市区とも、木造の戸建て住宅の増改築に補助が手厚い傾向があります。
中古マンション以外に、中古の戸建ても合わせて検討する際は、利用できる補助金制度は上手に活用することをおすすめします。
自治体の子育て世帯への優しさは、居住の満足度を高める一つの要因とされています。
この章では3市区における子育て支援の違いについて解説します。
通院時の医療費助成は、子育て世帯が多く利用する制度です。
3市区の違いを示すと、下表の通りです。
項目 | 戸田市 | 浦安市 | 葛飾区 |
---|---|---|---|
対象年齢 | 中学校卒業まで | 中学校卒業まで | 中学校卒業まで |
自己負担 | 自己負担なし | 自己負担あり※ | 自己負担なし |
所得制限 | 所得制限なし | 所得制限なし | 所得制限なし |
3市区とも中学校卒業まで医療費助成を受けることができますが、浦安市は原則として自己負担があり、他の2市区と比べると医療費助成が手薄といえます。
また、就学前児童がいる子育て世帯にとっては、保育所関連の情報は重要となります。
3市区の違いを示すと、下表の通りです。
項目 | 戸田市 | 浦安市 | 葛飾区 |
---|---|---|---|
0歳児の認可保育所・認定こども園月額保育料 | 52,000円 | 49,310円 | 31,000円 |
保育所入所待機児童数 | 0人 | 0人 | 0人 |
3市区とも待機児童数は0人ですが、0歳児の保育料は戸田市が若干高いです。
また、子育て支援に関しては、各自治体は支援金以外の制度で独自色を打ち出しています。
3市区の子育て関連の独自の取り組みを示すと、下表のようになっています。
戸田市 | (1)産前産後支援ヘルプサービス。 (2)こども医療費助成。 (3)トワイライトステイ事業。 (4)遺児手当。 (5)子どもの学習支援。 (6)多子世帯応援クーポン上乗せ事業。 (7)子どもの居場所づくりセミナー。 |
---|---|
浦安市 | (1)地域子育て支援員、保健師等による「子育てケアプラン」の作成。 (2)保育カウンセラーの配置。 (3)第3子以降学校給食費減免制度。 (4)病児・病後児保育。 (5)子どもインフルエンザ予防接種費用の一部助成。 (6)ファミリーサポートセンター多胎児利用補助金。 |
葛飾区 | (1)5歳児健康診査事業(発達・発育に関するアンケートの結果をもとに今後の対応が必要な児童に対し、心理職による集団遊びの観察と医療機関での5歳児診察を実施し、関係機関と連携して支援)。 (2)巡回訪問事業(発達に課題がある児童に対して保育園職員などへの助言・指導する事業)。 (3)マタニティパスの配布(母子健康手帳交付から1年未満の方を対象とし、交通系ICカード5,500円分を配布)。 (4)三人乗り自転車等購入費用の一部助成(小学生未満2人以上養育する世帯へ購入費用の一部助成。上限3万円)。 (5)公立保育園0歳児予約入園制度(育児休業から職場復帰時期に合わせて入園を事前に内定し、育児休業の取得とスムーズな職場復帰を支援)。 |
子育てに関しては、自治体の施策のみならず、自宅周辺に子どもが遊べる公園や広場があること、また親元への通いやすさ等も重要な要素です。
物件を実際に見に行き、環境面も考慮した上で住む街を選ぶことが望ましいといえます。
以上、データで見る中古マンションの相場が4,000万円以下の街の違いについて解説してきました。
データで見ると、各市区の特徴が見えてきます。
例えば、浦安市は中学生までの医療費助成に自己負担がありますが、住宅の面積が広いことから高校生以上の子どもを持つ世帯にとっては住みやすいかもしれません。
戸田市には、空き家の移住への助成金があり、若い子育て世帯には住みやすいともいえます。
葛飾区は0歳児の保育料が安く通勤時間もやや短いことから、新婚の共働き世帯は住みやすいと考えられます。
データを比較しながら、ライフステージに合わせて住むエリアを選ぶ参考にして頂けると幸いです。
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